いい女研究所
いい女の思考

成功のイメージを4年間した結果

仕事を失い、恋愛も失敗。
身体が痩せ細ってボロボロだった2009年。

しばらく自宅でゆっくりして、
それから少し習い事をしたりジムに通って体力を戻して、
転職活動を始めた。

でも、全然決まらなかった。
リーマンショックの爪痕が大きかった。

正社員の転職が厳しい状況だったので、
もう派遣でもいいから、働きながら転職活動を続けようと思った。

ちょうどそんな時、短期の派遣の仕事を紹介された。

転職活動しながら一時的に働く場所だし、短期契約の方が
気楽でいいかな、と思いその仕事を始めることにした。

その会社が、とてもいい職場だった。
仮にA社としましょう。

外資系企業だったのだが、とにかく人間関係がフラットで、
職場にありがちな「くだらない噂話」「底意地の悪い先輩・上司の理不尽な物言い」
「不平不満・愚痴・悪口」がなかった。

なんて爽やかな職場なんだろうか、と感動した。

もちろん「不満」がランチや飲みの席で話題にのぼることはあったが、
「その時だけ」で終わり。引きずらない。

少なくとも私のいた部署は、居心地が良かった。

ただ、派遣という立場上、仕事内容はあくまでも
社員の補佐的なものが多く、ミーティングにも参加できなかった。

悔しかった。

「私もこの会社の一員になりたい。」

無理だとわかっていても、ずっと願っていた。

皆と同等の立場で、同等の仕事を任されたかった。

当初は、半年ほどの短期の契約だったが、
1年ほど更新が長引いた。

とてもありがたかったが、いつまでも雇用形態が不安定なのは
よくないので、2011年に転職先を決め、大好きなA社を辞めた。

ここからの4年間は、苦労した。
這い上がりたくて、がむしゃらにがんばったけど、
給与のいい仕事にありつけなかった。

がんばるから会社からは認められるけど、
給与が働きに見合っておらず、空しかった。

実は、A社を辞める際、
上司が「今は枠がないけど、社員の採用枠ができたら声をかけるから。」と
言ってくれていた。

いつか戻れるかもしれないと、期待した。

でも、現実はそううまくいかないもので、
あっという間に4年が過ぎた。

4年間、ずっとあの会社に戻りたいと願っていた。
初詣では毎年祈った。

A社に社員として戻り、また皆と働いている自分の姿を
イメージしていた。
現実と比較して、空しくなることもあったけど、
イメージをやめることができなかった。

2015年。
信じられないことが起こった。
例の上司から、「ようやく空きが出た。戻ってきませんか。」と
メールが来た。

今度は直接雇用だった。
もちろん、飛びついた。

そして今は、ずっと思い描いていたオフィスで、
社員として働いている。

あれだけ羨ましく思っていたミーティングへの参加も
している。

今思うと、4年間の妄想は、
「成功のイメージ」だったんだろうな。

イメージすることの効果は絶大だった。

ちなみに上司曰はく、私に声をかけてくれた理由は、
「当時、仕事を頑張ってくれて助かったから。」だそうだ。

今回の採用では即戦力が欲しいので、意欲的な人材が必要だった、とのこと。

たしかに私はどん底を知っているので、人一倍意欲はある。

努力していれば、報われることもあるんだな。
見ていてくれる人はいるんだな。

なんとか人生の低迷期からは抜け出せたようだよ。