FP3級の勉強を始めて最初の壁になりやすいのが、タックスプランニングのパートです。「所得税の計算方法」「控除の種類」「課税所得の出し方」…似たような言葉が次々と出てきて、いったい何をどの順番で覚えればいいのかわからなくなる、という話はよく聞きます。

ある保険代理店で働くスタッフから聞いた話では、「タックスプランニングが苦手で、FP3級の受験を一度見送ってしまった」ということでした。後回しにするほど苦手意識が膨らんで、試験直前にパニックになってしまったそうです。でも気持ちを切り替えて、頻出ポイントだけ絞り込んで勉強し直したら、次の受験ではタックスプランニングで点が取れるようになったと言っていました。

実は、FP3級のタックスプランニングは「出るところ」がかなりはっきりしています。試験で問われる内容はある程度パターンが決まっているので、そこを重点的に押さえれば十分に対応できるようになるんです。

今回はFP3級タックスプランニングの覚え方を、頻出テーマ別に整理してお伝えします。税金が苦手な方でも「なるほど、こういう構造なんだ」と腑に落ちるように書きましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。

タックスプランニングって、FP3級ではどんな問題が出るの?

タックスプランニングとは、税金(タックス)の仕組みを理解して、合法的な範囲で税負担を最適化するための知識と計画のことです。FP3級の試験では、特に所得税に関する問題が中心になります。

FP3級の試験科目には6分野があり、タックスプランニングはそのひとつ。学科試験でも実技試験でも出題されます。配点比率でいえば無視できない分野で、ここで点数が取れるかどうかは合否に影響します。

「税金の話って難しそう…」と構えてしまう気持ち、わかります。でも所得税の仕組みは、一度全体の流れをつかんでしまえばむしろスッキリしている分野です。コツは全部を丸暗記しようとしないこと。FP3級タックスプランニングの覚え方の基本は、頻出の箇所を絞って計算の流れを理解することにあります。

まず全体像を!所得税の計算の流れ

タックスプランニングの勉強でいちばん最初にやるべきことは、所得税の計算がどういう流れで行われるかという全体像を頭に入れることです。ここを理解せずに細かい知識を詰め込もうとすると、必ずどこかでこんがらがります。

所得税の計算は、大まかに以下の順で行われます。まず「収入金額」から必要経費や給与所得控除などを引いて「各種所得金額」を算出します。次に各種所得を合算した「合計所得金額」から「所得控除」を差し引いて「課税所得金額」を求めます。その課税所得金額に税率をかけて「税額」を出し、そこから「税額控除」を差し引いたものが最終的な「納税額」になります。

流れをまとめると:収入金額 → 各種所得金額 → 合計所得金額 → 課税所得金額 → 税額 → 納税額という順番です。

この流れを押さえておくことが、FP3級タックスプランニングの覚え方の第一歩です。「所得控除」と「税額控除」がどの段階で差し引かれるのかを知っているだけで、試験の選択肢をかなり絞れるようになりますよ。

10種類の所得、頻出はここだけ押さえれば大丈夫

所得税では所得を10種類に分類します。これを全部均等に覚えようとするから苦しくなるわけで、FP3級タックスプランニングの覚え方として有効なのは、「頻出の所得だけを重点的に理解する」というアプローチです。

10種類の所得は、利子所得・配当所得・不動産所得・事業所得・給与所得・退職所得・山林所得・譲渡所得・一時所得・雑所得です。試験でとくによく出るのは、このうち次の5つです。

給与所得

会社員なら全員関係する所得で、FP3級の試験でも最頻出です。計算式は「給与収入 − 給与所得控除 = 給与所得」。給与所得控除は給与収入に応じて自動的に決まるため、自分で経費を計算する必要がありません。ポイントは「給与所得控除は最低55万円(令和2年分以降)」という数字を覚えておくことです。

退職所得

退職所得は計算式が少し特殊で、「(退職金 − 退職所得控除額)× 1/2 = 退職所得」という構造になっています。この「×1/2」が頻出のポイントです。退職所得控除の計算式(勤続20年以下は40万円×勤続年数、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年))もセットで覚えておきましょう。

一時所得

計算式は「収入 − 支出 − 特別控除額(最高50万円)= 一時所得」で、さらにその1/2が課税対象になります。生命保険の満期保険金などがこれに該当します。「特別控除50万円」と「課税は1/2」という2点がよく問われます。

雑所得

公的年金や副業収入などが該当します。公的年金には「公的年金等控除」があり、年齢や収入金額によって控除額が変わります。65歳未満と65歳以上で控除額が異なる点が頻出ポイントです。

不動産所得

「収入金額 − 必要経費 = 不動産所得」という計算式で求めます。損失が出た場合、他の所得との損益通算が可能ですが、土地を購入するための借入金の利子は損益通算の対象外という点が試験で狙われやすいです。

所得控除15種類の覚え方、頻出はどれ?

所得控除は全部で15種類あります。「15種類全部覚えなきゃいけないの!?」と驚く気持ちはわかりますが、FP3級の試験では特定の控除が繰り返し出題される傾向があります。まずは「人的控除(人に関する控除)」と「物的控除(支出に関する控除)」に大きく分けて整理するとスッキリします。

頻出の人的控除

基礎控除は、すべての納税者が受けられる控除で、合計所得金額が2,400万円以下の場合は48万円(令和2年以降)。試験では金額が問われることが多いので、しっかり覚えておきましょう。

配偶者控除は、生計を一にする配偶者の合計所得金額が48万円以下の場合に適用されます。納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると受けられない点がよく出題されます。

扶養控除は、16歳以上の扶養親族がいる場合に受けられる控除です。とくに「16歳未満は扶養控除の対象外」という点と、「19〜22歳は特定扶養親族として控除額が63万円に増額される」という点が頻出です。

頻出の物的控除

医療費控除は、1年間の医療費が一定額を超えた場合に受けられる控除です。「10万円または合計所得金額の5%のどちらか低い方を超えた部分」が控除対象になり、最高200万円まで。生計を一にする家族の医療費を合算できる点も押さえておきましょう。

社会保険料控除は、支払った社会保険料の全額が控除されます。自分の分だけでなく、生計を一にする家族の分も対象になる点が問われやすいです。

生命保険料控除は、生命保険・介護医療保険・個人年金保険の3種類それぞれに控除枠があります。新契約の場合、それぞれ最高4万円、合計最高12万円。旧契約と新契約で控除額が異なるのも頻出ポイントです。

地震保険料控除は、支払った地震保険料の全額(最高5万円)が控除されます。火災保険は対象外で地震保険のみという点がよく問われます。

所得控除と税額控除の違い、ここが試験で狙われる

所得控除と税額控除、名前が似ていてよく混乱しますよね。でも仕組みは全然違います。試験でもこの違いを問う問題が頻出なので、はっきり区別しておくことが大事です。

所得控除は、課税所得金額を計算するときに差し引くもの。収入から控除額を引いて「課税所得」を小さくする仕組みです。

税額控除は、税額を計算した後に直接引くもの。1円の税額控除は、1円そのまま税金が安くなります。

同じ「10万円の控除」でも、所得控除の場合は「10万円 × 税率(たとえば20%)= 2万円の節税」になるのに対し、税額控除の場合は「10万円そのまま節税」になります。つまり税額控除のほうが節税効果は大きいんです。FP3級で頻出の税額控除は住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)配当控除です。特に住宅ローン控除は所得控除と混同しやすいので注意が必要です。

FP3級タックスプランニング、頻出テーマ一覧

ここまでの内容を整理して、試験での頻出テーマを一覧にします。FP3級タックスプランニングの覚え方の核心は、この頻出テーマを優先的に理解・暗記することです。

テーマ 頻出ポイント
所得税の計算の流れ 収入→所得→合計所得→課税所得→税額→納税額の順番
給与所得 給与所得控除の計算、最低55万円
退職所得 (退職金−退職所得控除)×1/2、控除額の計算式
一時所得 特別控除50万円、課税対象は1/2
損益通算 通算できる所得・できない所得の区別
基礎控除 48万円(合計所得2,400万円以下)
配偶者控除 配偶者の所得48万円以下、本人1,000万円超は不可
扶養控除 16歳未満は対象外、特定扶養は63万円
医療費控除 10万円または5%超の部分、最高200万円
生命保険料控除 3区分・各最高4万円・合計最高12万円(新契約)
地震保険料控除 最高5万円、火災保険は対象外
所得控除 vs 税額控除 引くタイミングの違い、住宅ローン控除は税額控除
超過累進税率 課税所得に応じて税率が変わる仕組み

試験で間違えやすいひっかけポイント

FP3級タックスプランニングでよく見るひっかけパターンを知っておくと、本番でのミスを防げます。保険関係の仕事をしている人たちの間でも「ここで間違えた!」という声が多いポイントです。

損益通算できない所得を押さえておく

損益通算とは、ある所得でマイナスが出たとき、他の所得のプラスと相殺して税金を計算できる仕組みです。ただし、すべての所得が損益通算できるわけではありません。雑所得の損失は通算できませんし、譲渡所得でも「生活に通常必要でない資産(別荘・競走馬など)の損失」は通算できません。「通算できないもの」を意識して覚えておきましょう。

総合課税と申告分離課税の区別

所得税には「総合課税」と「申告分離課税」「源泉分離課税」という課税方式があります。上場株式の譲渡益や、申告分離を選択した配当所得などは申告分離課税になります。「この所得はどの課税方式か」を問う問題が出ることがあるので、代表的なものを押さえておきたいところです。

控除には「誰が使えるか」という条件がある

たとえば配偶者控除は「配偶者の所得が48万円以下」という条件がありますし、本人の所得が1,000万円を超えると適用されません。控除の名前と金額だけを覚えていて「誰が・どんな条件で使えるか」を忘れてしまうと、試験でひっかかります。各控除について「対象者の条件」とセットで整理しておくのが大切です。

FP3級タックスプランニングの効果的な覚え方

最後に、FP3級タックスプランニングの勉強を効率的に進めるための覚え方のコツをいくつかお伝えします。

所得税の流れを手書きで書いてみる

「収入→所得→課税所得→税額→納税額」という大きな流れを、テキストを見ないで紙に書けるようになることが第一ステップです。個別の知識が「どの段階の話なのか」をいつでも確認できる軸ができると、勉強の効率が一気に変わります。テキストを読むだけよりも、実際に手を動かして図を書く方が記憶への定着が全然違いますよ。

控除はグループで整理する

15種類の所得控除を1つずつバラバラに覚えようとすると混乱します。「人的控除」「物的控除」というグループ分けを意識して、グループごとに整理する方が覚えやすいです。さらに各控除について「誰が対象か」「いくら控除できるか」「条件は何か」という3点をセットで整理するとスッキリします。

過去問は「なぜ正しいか・なぜ違うか」まで考える

FP3級の試験問題は、過去問と似たパターンで出題されることが多いです。ただし「答えを暗記する」だけの使い方をしていると応用が利かなくなります。「この選択肢はなぜ正解なのか」「この選択肢のどこが間違っているのか」まで言語化できるようになるまで解き込むのが、タックスプランニングに限らずFP3級全体の有効な勉強法です。

自作の計算問題で手を動かす

「給与収入が400万円のAさんの給与所得はいくらか」「退職金が2,500万円で勤続年数25年の場合の退職所得はいくらか」といったオリジナルの計算問題を自分で作って解いてみるのも効果的な覚え方です。実際の試験では計算式そのものを問う問題も出るので、手を動かして計算する練習は欠かせません。テキストを眺めているだけでは気づかなかった「どこで詰まるか」が、自作問題を解くとよくわかります。

数字は「意味」とセットで覚える

「基礎控除48万円」「扶養控除38万円」「特定扶養控除63万円」…FP3級タックスプランニングには数字がたくさん出てきます。数字だけを丸暗記しようとするより、「なぜこの数字なのか」という背景の意味とセットで覚える方が頭に残りやすいです。難しい場合は、数字の大小関係(特定扶養>一般扶養、など)を意識するだけでも、試験の選択肢を絞るときに役立ちますよ。

まとめ:FP3級タックスプランニングは「出るとこ」を絞れば怖くない

FP3級のタックスプランニングは、「所得税の計算の全体像」「頻出の所得の種類」「よく出る所得控除」「税額控除との違い」という4つの柱を押さえれば、試験で十分に戦えます。

15種類の所得控除も、10種類の所得も、全部を均等に覚える必要はないんです。FP3級タックスプランニングの覚え方として大事なのは、「頻出のものを深く理解すること」と「所得税計算の流れを体に染み込ませること」。この2点に集中すると、勉強の効率が大きく変わります。

税金の話は難しそうに見えるけれど、仕組みを一度理解してしまえば意外とすっきりしている分野です。日常生活でも「あ、これが所得控除か」「このお金は一時所得になるのか」という場面が出てくるようになると、知識がどんどん生きたものになっていきます。FP3級の勉強が、税金を身近に感じるきっかけになるといいですよね。

より体系的に勉強したい方は、認定教育機関の通信講座や公式テキストを活用するのもおすすめです。

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