FP3級の保険分野はここが出る
FP3級の勉強を始めたとき、「保険ってどこまで覚えればいいんだろう」と感じませんでしたか。テキストを開くと種類がたくさんあって、似たような言葉がずらっと並んでいて、何が大事なのかよくわからない…というのは、多くの受験者が感じることのようです。
でも実は、FP3級 保険の出るとこは、思っているほど広くないんです。保険代理店でスタッフとして長年働いていた方の話では、「実務で扱う知識の量に比べたら、FP試験の保険分野はかなりシンプルだった」とのことでした。試験で繰り返し問われる論点は決まっているので、そこを丁寧に押さえていくことが一番の近道になります。
このページでは、FP3級 保険で出るとこを分野ごとに整理してお伝えします。得点を安定させやすい分野なので、しっかり読み込んでから過去問に入ると、手ごたえがぐっと変わるはずです。
まず確認!保険分野の出題数と全体像
勉強の前に、全体像をざっくり押さえておきましょう。FP3級の学科試験は全60問で、保険分野(リスク管理)は12問出題されます。6分野のなかでもボリュームのある分野です。
学科試験の合格ラインは36問以上の正解(正答率60%)とされています。保険分野で8〜9問を取れると、他の分野をかなり助けてくれますよね。
実技試験でも保険に関する問題は出ますが、学科とほぼ同じ論点が問われることが多いです。FP3級 保険の出るとこを体系的に把握しておくことが、学科・実技どちらの対策にも直結します。
生命保険の頻出ポイント
まず外せない!保険の3種類
生命保険にはベースとなる3つの種類があります。定期保険・終身保険・養老保険です。この3つの違いは試験で確実に問われますので、特徴をしっかり区別しておきたいところです。
| 種類 | 保険期間 | 満期保険金 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 定期保険 | 一定期間 | なし | 掛け捨て型。保険料が低め |
| 終身保険 | 一生涯 | なし(解約返戻金あり) | 貯蓄性がある。保険料は高め |
| 養老保険 | 一定期間 | あり | 死亡保険金と満期保険金が同額 |
「満期保険金があるのはどれか」「掛け捨てでないのはどれか」という形で出題されることが多いです。表の特徴列をそのままイメージとして頭に入れてしまうと、選択肢を絞りやすくなります。
これらの基本3種類を組み合わせた「定期付終身保険」や「収入保障保険」なども試験範囲に含まれますが、FP3級レベルではまず基本3種類の違いの理解を優先してください。
試験で一番よく出る!生命保険料控除の計算
FP3級 保険の出るとこのなかで、最も出題頻度が高いのが生命保険料控除の計算です。毎回のように試験に顔を出します。
生命保険料控除は3種類あります。一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3つで、それぞれ最大4万円(所得税)まで控除できます。3種類合計での上限は12万円です。
試験では2012年(平成24年)以降の「新制度」が主に問われます。新制度での所得税控除額の計算式は以下のとおりです。
| 年間払込保険料 | 控除額 |
|---|---|
| 2万円以下 | 全額 |
| 2万円超4万円以下 | 払込保険料×1/2+1万円 |
| 4万円超8万円以下 | 払込保険料×1/4+2万円 |
| 8万円超 | 4万円(上限) |
この表は試験に何度も登場します。数字がいくつも出てきて混乱しがちですが、「8万円を超えたら上限の4万円」という一番シンプルなケースを軸に、前後の段階を理解していくと整理しやすいです。
なお、住民税の控除額は所得税とは異なります(上限2.8万円・計算式も別)。どちらを聞かれているか、問題文をよく読む習慣をつけておくことが大切です。
保険金受取時の課税関係は「誰が誰に」で決まる
保険金を受け取ったときにどんな税金がかかるか、という問題は、複雑に見えて実は仕組みがシンプルな論点です。
ポイントは「契約者・被保険者・受取人が誰か」の組み合わせで課税の種類が変わること。基本パターンを表で確認しましょう。
| 契約者 | 被保険者 | 受取人 | かかる税金 |
|---|---|---|---|
| 夫 | 夫 | 妻 | 相続税 |
| 夫 | 妻 | 夫 | 所得税(一時所得) |
| 夫 | 妻 | 子 | 贈与税 |
原則として、「契約者=受取人なら所得税」「契約者≠受取人で被保険者が死亡なら相続税」「三者が全員別々なら贈与税」という分岐で考えると整理できます。
一時所得として課税される場合の計算式は、(受取保険金-払込保険料総額-50万円)×1/2です。50万円の特別控除と最後の「×1/2」。この2点が落とし穴になりがちなので、手を動かして計算練習をするのが効果的ですよ。
損害保険の頻出ポイント
自動車保険は自賠責と任意の違いから
損害保険の出題では、自動車保険(自賠責保険と任意保険)の違いが頻出です。どちらがどんな補償をするのか、混同しないように整理しておきましょう。
自賠責保険は法律で加入が義務付けられていて、補償の対象は対人賠償のみです。物損(相手の車の修理代など)は補償されません。また補償額にも上限があります(死亡事故の場合、被害者1名につき3,000万円まで)。
任意保険は自賠責で補えない部分をカバーするものです。対人・対物・自分のケガ・車の損害など、幅広い補償を選んで付けられます。「自賠責保険で物損は補償されるか」という問いの答えは「補償されない」です。この点は確実に頭に入れておいてほしいポイントです。
地震保険は火災保険とセットでしか入れない
地震保険の問題では、「地震保険は単独では契約できず、火災保険に付帯する形でしか加入できない」という点が繰り返し問われます。
また、地震保険には補償額の上限が設定されています。火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で設定でき、建物は最大5,000万円、家財は最大1,000万円という上限もあります。
たとえば火災保険で3,000万円の建物に加入している場合、地震保険は900万円〜1,500万円の範囲でしか設定できないということです。保険代理店勤務の知人いわく、「地震保険の上限を知らないまま加入し、実際の損害額との差に驚くお客さんが少なくない」とのことでした。試験だけでなく、実生活でも知っておきたい知識です。
損害保険の「実損払い」という考え方
損害保険の根本にある考え方が実損払いの原則です。実際に発生した損害額の範囲でしか保険金が支払われないということで、損害を超えた保険金は受け取れません。
これは生命保険の「定額払い」と対比して出題されることがあります。「火災保険に1,000万円入っていれば、500万円の損害でも1,000万円もらえる」というのは誤りで、受け取れるのは損害額の500万円まで。損害保険は定額ではなく実損で払う、という原則をしっかり区別してください。
第三分野(医療保険・がん保険・傷害保険)の頻出ポイント
第三分野は「生命でも損害でもない」保険
医療保険・がん保険・傷害保険・介護保険などは「第三分野」と呼ばれるカテゴリに属します。試験では、第三分野の保険は生命保険会社も損害保険会社も販売できるという点が問われます。「損害保険会社だけが扱える」という誤り選択肢に引っかからないよう要注意です。
医療保険の免責期間、がん保険の待機期間
医療保険では、入院給付金の支払いに「免責期間」があることが出題されます。入院した当日から給付金がもらえるわけではなく、多くの場合は入院4日目から支払いが始まります(入院1〜3日目が免責)。商品によって異なる場合もありますが、試験問題では条件が明示されているので、その設定をよく読んで解くことが大切です。
がん保険では責任開始日前の「待機期間(免責期間)」が90日間(3ヶ月)あることが頻出です。他の保険にはほとんどない特徴なので、がん保険ならではの論点として印象に残しておきましょう。契約してすぐにがんと診断されても給付されないのは、この待機期間があるためなんです。
傷害保険の3要件を押さえる
傷害保険は「急激・偶発的・外来の事故」による傷害を補償する保険です。この3要件は試験でよく問われるキーワードです。
注意したいのは、この3要件を満たさないケースが「補償されない例」として引っかけ問題に使われること。たとえば熱中症は身体の内部から発生するため「外来性」がなく、一般的な傷害保険では補償対象外になります。細菌性食中毒も同様に対象外です。「事故っぽいのに補償されない」パターンを把握しておくと、本番で選択肢を絞りやすくなります。
FP3級 保険の計算問題を得点源にする
計算問題が苦手という方は多いですが、保険分野の計算はパターンが絞られているので、出るところを知っていれば十分に対応できます。主な計算問題は3パターンです。
①生命保険料控除の控除額計算
年間払込保険料の区分と控除額をセットで理解しておけば、ほぼ機械的に解けます。どの区分に入るかを確認してから計算式を当てはめる流れが定番です。
②一時所得の金額計算
(受取保険金-払込保険料総額-50万円)×1/2という計算式です。50万円の特別控除と「×1/2」を忘れなければ大丈夫です。
③地震保険の補償額の上限計算
火災保険の保険金額に30%または50%をかけるシンプルな掛け算です。上限額(建物5,000万円・家財1,000万円)を超えていないかも合わせて確認する癖をつけておくと安心です。
計算問題は「公式を覚えれば解ける」ものばかりです。FP3級 保険の出るとこのなかでも計算問題は得点に直結しやすいので、ぜひ得意分野にしてほしいです。
過去問の回し方で差がつく
論点を頭に入れたら、次は過去問を繰り返すことが大事です。FP試験の過去問は公式サイトで公開されているので、ぜひ活用してください。
保険分野の過去問を解くときに意識してほしいのは、「なぜ×なのか」を必ず確認すること。正解の選択肢だけを追っていると、引っかけ問題に対応できません。「どこが違うから×なのか」を一問一問確認していく作業が、本番での正解率を上げる近道です。
保険分野の論点はある程度決まっているので、5〜6回分の過去問を解けば「あ、またこれ出てる」と感じる瞬間が出てきます。その感覚が生まれてきたら、かなり仕上がってきた証拠です。
まとめ:FP3級 保険で出るとこを押さえて得点源に
FP3級の保険分野(リスク管理)の頻出論点を整理してきました。覚えることが多そうに見えて、実は繰り返し出てくる論点は決まっているんです。
生命保険の頻出論点
定期・終身・養老保険の違い/生命保険料控除の計算式(新制度)/保険金受取時の課税(契約形態による違い)/一時所得の計算
損害保険の頻出論点
自賠責と任意保険の補償範囲の違い(自賠責は対人のみ)/地震保険の付帯条件と補償上限/実損払いの原則
第三分野の頻出論点
医療保険の免責期間(多くは入院4日目以降)/がん保険の待機期間(90日)/傷害保険の3要件(急激・偶発・外来)/第三分野は生保・損保どちらでも販売可能
FP3級 保険の出るとこは、どれも基本的な仕組みを理解すれば正解できるものばかりです。まずここで紹介した論点を体に入れて、それから過去問を繰り返していくと、得点を安定させやすくなります。試験勉強、がんばってくださいね。
