「これで完璧!」と思って買ったはずの服が、合わせるものが見つからない。何買っても、なんかしっくりこない。クローゼットを開けるたびに溜息をついていた、数年前の私の話をちょっと聞いてください。

服の量は多かったんです。むしろ多すぎるくらいあった。なのに毎シーズン「着るものがない」という感覚だけが蘇ってくる。特に秋冬はひどかった。重ね着のせいでもっさりして見える、色がうまくまとまらない、なんか野暮ったくなる。全部自分のセンスのせいだと思っていたけど、そうじゃなかったんですよ。アイテムの選び方が、ずれていただけだったんです。

「シンプルで大人っぽく見える」って、特別なセンスが必要なわけじゃないと今は思っています。ポイントを押さえてしまえば、毎日の服選びがびっくりするほど楽になる。今日は、私が実際に「これを取り入れてから変わった!」というアイテムをご紹介します。

まずここから。コートは「キャメル」を選んで

秋冬コーデの主役はなんといってもコートですよね。上に羽織るものが決まれば、あとはぐっとコーデが楽になります。

私の場合、長年ダークな色ばかり選んでいました。黒、ネイビー、グレー。間違いないって思っていたし、実際まとまりはするんです。でもどこか重たい印象になっていて、顔色も暗く見えるし、全体的にぼんやりしている。そう気づいたのは、友人がキャメルのコートを着ているのを見たときです。「なんか、そのコートすごく大人っぽいね。」思わず口に出したら、「ユニクロだよ」と言われました(笑)。値段じゃないんだって、そのとき初めて実感しました。

キャメル(ベージュ・キャメルブラウン系)のコートは、顔まわりを明るく見せてくれます。中に何を着ても馴染む。黒でも白でも、ボルドーでもグレーでも、不思議とコーデ全体を「ちゃんとした人」に見せてくれる色なんです。私はそれ以来ずっとキャメル派で、もう他の色に戻る気がしないくらい気に入っています。

コートの形はオーバーサイズよりも、少しすっきりしたチェスターコートかステンカラーコートがおすすめです。シルエットが整っているだけで、それだけで大人っぽさが出ます。秋の終わり、冬のはじめ。まずコートから変えてみるのが、いちばん手っ取り早いと思っています。

タートルネックニットが、首元から全部変える

秋冬コーデに迷ったらこれ。シンプルで大人っぽく見えるアイテム

「タートルネックが似合わない」と長年思っていた私が言うんですが、一度だけ試してみてほしいんです。

顔が大きく見えそう、首が埋まりすぎる、なんとなく暑苦しい感じがする。そういう理由でずっと避けていました。でも実際に着てみたら、全然違ったんですよ。タートルネックって、首元がすっきり見えるだけじゃなくて、コーデ全体に「ちゃんとしてる感」が出るんです。薄手のカジュアルニットとは全然違う雰囲気があります。コートの中からちらっと見えるタートルの存在感は、本当に強い。これが入っているだけで、なんかこなれて見える。

私の場合、コットン素材のリブタートルネックにたどり着くまで、何枚か失敗しました。最初に買ったウール混の分厚いものは、私には首が埋まりすぎてバランスが悪かった。薄めのリブ素材が、一番顔まわりが軽く見えることがわかりました。それからは毎年リブタートルを愛用しています。

色はまず黒か白から試してみてください。どんなアウターにも合わせやすいし、1枚持っているだけでコーデの幅がぐっと広がりますよ。「タートルは苦手」という方ほど、ぜひ一度だけ試してほしいんです。きっと印象が変わりますから。

「黒スキニー」から「テーパードパンツ」に変えてみて

これ、私的に一番大きかった気づきかもしれないです。

ボトムスはずっと黒スキニー一択でした。脚のラインが出るし、すっきり見える。鉄板じゃないですか。でもある日、テーパードパンツを試着してみたら、なぜかそっちのほうが脚がきれいに、しかも細く見えたんです。

おかしくないですか?スキニーのほうが密着しているはずなのに。

たぶんテーパードのほうが、ウエストから裾にかけての「ライン」が美しく見えるんだと思います。脚のシルエットをそのまま見せるんじゃなくて、脚のラインを「作ってくれる」感覚です。しかも大人っぽさが全然違う。スキニーは若々しい印象があるけど、テーパードはどこかこなれた雰囲気になるんですよね。これは実際に試してみないとわからない感覚で、私は試着してから一気に派に乗り換えました。

私が今よく使うのは、深めのネイビーかチャコールグレーのテーパードパンツです。真っ黒よりも少しだけ抜け感が出て、コーデ全体がぼんやりしないので気に入っています。素材はきれいめのウール混か、コットンのストレッチ素材が合わせやすいです。「スキニーしか持ってない」という方は、一本だけ試しにテーパードを加えてみてください。本当に印象が変わりますから。

バッグひとつで「格」が変わる、という話

秋冬コーデに迷ったらこれ。シンプルで大人っぽく見えるアイテム

服をどれだけ丁寧に揃えても、バッグがちぐはぐだと全体がまとまらないんです。これ、気づくのに時間がかかりました。

秋冬は特に、バッグが全体の印象を左右します。レザー(または上質なフェイクレザー)素材の、シンプルな形のバッグがひとつあると、本当に頼りになる。過剰な装飾のないもの、大きなブランドロゴが入っていないもの。ただ素材感と形がきれいなもの。それだけでいいんです。

私は以前、キャンバスのトートバッグばかり使っていたんですが、あるときレザーのショルダーバッグに変えたら「なんか雰囲気変わった?」と言われて。服は何も変えていなかったんですよ(笑)。バッグって、こんなに全体に響くんだって、そのとき初めてわかりました。カジュアルすぎるバッグが、大人っぽいコーデの足を引っ張っていたんですよね。

毎シーズン服を何着も買い替えるより、バッグに少しだけ予算を割いたほうが、トータルの印象はぐっとよくなると思っています。コンパクトなショルダーか、A4が入るシンプルトートか。そのどちらかをきれいなものにするだけで、全体がぐっと引き締まります。それだけで十分です。

足元だけは手を抜かない。シューズの選び方

コートもニットもバッグも整えたのに、足元だけスニーカーや古びたブーツだとちょっと惜しいんですよね。足元って、意外と全体に響きます。上がどれだけまとまっていても、靴が浮いていると「なんかしっくりこない」という印象になることがあります。私はこれで何度か悔しい思いをしました(笑)。

秋冬の足元でおすすめなのは、ロングブーツかショートブーツです。ヒールがある必要はないですよ。フラットでも、シンプルな形のものならきちんと感が出ます。色はブラックかブラウンがあれば大体まとまります。大人っぽく見せたいならポインテッドトゥ(つま先が少しとがった形)を選ぶと、よりすっきりした印象になりますよ。

私の場合、数年前にシンプルなブラックのショートブーツを一足買ってから、ほぼそれだけで秋冬を乗り切るようになりました。それまでは季節のたびに靴を買い足していたのに、「これだけあればいい」というものに出会えると、本当に楽になります。足元はそんなに数を増やさなくていいんです。ひとつ、信頼できるものを持つこと。それが結局いちばんの近道だと思っています。

まとめ。「少ないけど、全部使える」が最強

秋冬コーデに迷ったらこれ。シンプルで大人っぽく見えるアイテム

今日ご紹介したのは、キャメルコート、タートルネックニット、テーパードパンツ、きれいめバッグ、シンプルなブーツ。どれも奇をてらわない、ベーシックなアイテムばかりです。

「もっとトレンドのある答えを期待してた!」という方もいるかもしれないですね(笑)。でも本当に、大人っぽく見える人ってこういうアイテムが揃っているだけで、そこから大きく外れたことをしていないんですよ。流行に乗るより先に、「外さない軸」を作ること。それが先です。

私がたどり着いた答えはシンプルです。「少ないけど全部使えるアイテムを揃えること」。トレンドを追うのをちょっとだけやめて、「これがあれば確実にまとまる」というものを少しずつ揃えていく。その積み重ねが、毎日の服選びを楽にしてくれます。

秋冬は重ねるほどコーデが複雑になる季節です。だからこそ、軸になるアイテムをシンプルに絞る。私はそれだけで、クローゼットの前で溜息をつくことがなくなりました。

迷ったらキャメルとタートルニット。それだけで今日は乗り越えられるよ。