生命保険一般課程試験に落ちても、終わりじゃないよ

「合格」の二文字を期待して結果を見たのに、そこにあったのは思っていたのと違う数字。生命保険一般課程試験に落ちてしまったとき、心がすっと冷えるような感覚になる人は少なくないんですよね。

まず、いちばん最初に伝えたいことがあります。落ちたからといって、あなたの能力が足りないわけでも、保険の仕事に向いていないわけでもありません。この試験は、正しいやり方で準備すれば、ちゃんと受かるように作られているんです。つまずいたのは、たいてい「勉強のしかた」のほうなんですよ。

生命保険一般課程試験というのは、生命保険を販売するために必要とされる、業界の基礎資格です。国家資格ではなく、保険業界の団体が実施しているもの。入社してすぐ、研修とセットで受けることがほとんどで、多くの会社では一度落ちても再試験を受けられます。だから、ここで立ち止まってしまう必要はまったくないんです。

とはいえ、「次こそは受かりたい」と思っているなら、なんとなくもう一回受けるのは危険。落ちた原因をきちんと整理して、勉強のやり方を立て直すことが、いちばんの近道になります。

この記事では、なぜ受からなかったのかという原因の整理から、次で受かるための具体的な勉強法、そして気になる再試験の実情まで、順番にお話ししていきますね。読み終わるころには、「あ、こうやって進めばいいんだ」と気持ちが軽くなっているはずですよ。

ノートに落ちた原因を書き出して整理する女性

なぜ落ちたのか、まず原因を冷静に整理する

次で受かるために、いちばん大事なのが「なぜ落ちたのか」を見つめること。ここをあいまいにしたまま勉強を再開すると、また同じところでつまずいてしまうんですよね。落ちる人にありがちなパターンを、いくつか整理してみます。

原因1:一夜漬けで挑んでしまった

いちばん多いのが、これ。研修で忙しかったり、仕事に追われたりして、前日にまとめて詰め込もうとするパターンです。

ある生命保険会社で働きはじめたばかりの女性スタッフから聞いた話では、入社直後の研修と日々の業務が重なって、試験勉強に手が回らなかったそうです。前日の夜にテキストを一気に読んだものの、当日は問題文の言い回しに惑わされて、覚えたはずの内容が出てこなかった。一夜漬けは、暗記が浅いところで止まってしまうので、ひねった問われ方をされると一気に崩れてしまうんです。

原因2:用語の意味を「なんとなく」で済ませた

生命保険の世界には、ふだんの暮らしでは使わない言葉がたくさん出てきます。保険料と保険金、契約者と被保険者と受取人、解約返戻金、告知義務。似たような言葉が多くて、ぼんやり読み流すと、本番で取り違えてしまうんですよね。

たとえば「保険料」はこちらが払うお金、「保険金」は受け取るお金。たった一文字違うだけで意味が真逆になります。こういう基本の言葉を「だいたいこんな感じ」で済ませてしまうと、応用問題でつまずく原因になります。

とくに引っかかりやすいのが「契約者」「被保険者」「受取人」の三つ。契約者は契約を結んで保険料を払う人、被保険者は保険の対象になっている人、受取人は保険金を受け取る人。三人とも同じ人のこともあれば、それぞれ別の人のこともあります。この区別があいまいなままだと、登場人物が入れ替わって出てくる問題で、頭がこんがらがってしまうんですよね。落ちた人の話を聞くと、ここでつまずいていたケースが本当に多いんです。

原因3:テキストを読むだけで、問題を解いていない

テキストをていねいに読み込んで、わかった気になる。でも、いざ問題を解いてみると、思ったより手が止まる。これもよくあるパターンです。

読んで理解することと、問われて答えられることは、まったく別の力なんですよね。インプットばかりで、アウトプット、つまり問題演習が足りないと、本番でその差にびっくりすることになります。

原因4:合格ラインの感覚をつかんでいなかった

この試験は、満点を取る必要はありません。決められた合格ラインを超えればいいんです。なのに、すべてを完璧に覚えようとして、難しいところで時間を使いすぎてしまう。結果、確実に取れるはずの基本問題の対策がおろそかになる。これも、もったいない落ち方のひとつです。

自分がどのパターンだったか、思い当たるものはありましたか。ひとつとは限りません。いくつか重なっていることも多いんです。原因が見えれば、対策はぐっと立てやすくなりますよ。

大切なのは、「自分は試験に向いていないから受からない」と思い込まないこと。受からないのには、必ず具体的な理由があります。それは、地頭の良し悪しではなく、勉強のやり方や準備の量といった、あとから変えられるものばかりなんです。だから、原因さえつかめれば、誰でも立て直せます。落ちた事実を責めるより、次にどう動くかに気持ちを向けていきましょう。

次で受かるための勉強法、ここを変えればいい

原因がわかったら、いよいよ勉強法の立て直しです。むずかしいことはしません。ポイントを押さえて、やり方をちょっと変えるだけで、合格はぐっと近づきます。

ステップ1:基本用語を「自分の言葉」で説明できるようにする

まずは土台づくり。さっき出てきた保険料・保険金・契約者・被保険者・受取人といった基本用語を、自分の言葉で言い換えられるようにしましょう。

おすすめは、家族や友だちに説明するつもりで声に出してみること。「保険料っていうのはね、契約した人が払うお金で…」と言えるようになれば、もう本番で取り違えません。人に説明できるレベルまで噛みくだけたら、その用語は自分のものになった証拠です。

ステップ2:テキストは1回読んだら、すぐ問題へ

テキストを完璧に読み込んでから問題へ、という順番をやめましょう。1章読んだら、その範囲の問題をすぐ解く。この「読む→解く」をこまめに繰り返すほうが、ずっと頭に残ります。

解けなかった問題は、なぜ間違えたのかをテキストに戻って確認する。これを何周かするうちに、自分の弱いところがはっきり見えてきます。間違えた問題こそが、いちばんの先生なんですよね。

ためしに、自分で問題を作ってみるのもおすすめです。たとえば「契約者は保険料を払う人である。○か×か」「受取人は、保険の対象になっている本人のことである。○か×か」というように、用語を使ったかんたんな正誤問題を自作してみる。答えは順に○、×ですね。受取人は保険金を受け取る人で、対象になっている本人は被保険者です。こうして自分で問いを立てると、どこがあいまいだったのかが一発で見えてきます。人に出題するつもりで作ると、理解はさらに深まりますよ。

ステップ3:間違えた問題だけを集めた「弱点ノート」を作る

これは合格した人がよくやっている方法です。間違えた問題や、あやふやな用語だけを一冊にまとめておく。試験直前は、そのノートだけを見返せばいい状態にしておくんです。

ある保険代理店でお客様対応をしている女性は、一度落ちた経験があるそうですが、二度目はこの弱点ノートで立て直したと話していました。自分が間違えたところだけが詰まっているので、復習の効率がまるで違ったとのこと。新しいテキストを買い足すより、自分のつまずきを集めるほうが効くんですね。

ステップ4:本番形式で時間を計って解いてみる

仕上げの段階では、本番と同じように時間を計って問題を通しで解いてみましょう。時間配分の感覚をつかんでおくと、当日あわてずに済みます。

難しい問題に出会ったら、いったん飛ばして、確実に取れる問題から先に片づける。この練習をしておくだけで、本番の落ち着きがまるで変わります。合格ラインを超えればいい試験なので、取れるところを確実に取る、という戦い方が大切なんです。

テキストを開いて集中して勉強する女性

勉強時間はどれくらい必要?目安を知っておこう

「いったい何時間勉強すればいいの?」というのは、多くの人が気になるところですよね。

生命保険一般課程試験は、基礎をきちんと固めれば対応できる範囲の試験です。一般的には、合計で20時間から30時間ほど準備に充てれば、しっかり戦えると言われています。もちろん、これは目安。前回どこでつまずいたかによって、必要な時間は変わってきます。

大切なのは、合計時間よりも「分け方」です。前日に20時間まとめてやるのは不可能ですし、たとえできても頭に残りません。それよりも、1日30分から1時間を、2週間から3週間続けるほうが、ずっと定着します。少しずつでも毎日触れることで、用語が自然と身についていくんです。

仕事や家事で忙しい人は、すきま時間を味方につけるのがコツ。通勤の電車のなか、お昼休み、寝る前の15分。弱点ノートやスマホのメモを使えば、机に向かわなくても復習はできます。まとまった時間が取れない日があっても、自分を責めないでくださいね。続けることのほうが、ずっと価値があるんですから。

具体的なイメージとして、2週間の進め方を一例で挙げてみますね。最初の数日でテキストをざっと一周しながら、章ごとに問題を解いていく。次の数日で、間違えたところを弱点ノートにまとめ直す。残りの日数で、そのノートを繰り返し見返しながら、本番形式で時間を計って解く。こんなふうに「広げる→しぼる→仕上げる」の三段階で組むと、無理なく仕上がっていきます。一度落ちた人ほど、自分のつまずきがすでに見えているぶん、二度目はこの流れがスムーズに回るんですよ。

逆に言えば、一夜漬けで落ちてしまった人は、勉強の「総量」というより「やり方とタイミング」を変えるだけで結果が変わる可能性が高いということ。少し早めにコツコツ始める。それだけで、次の景色は変わってきますよ。

気になる再試験のこと、実情をお話しします

落ちたあとに、いちばん不安になるのが再試験のことですよね。ここは会社や時期によって運用が違う部分もあるので、最終的には自分の会社の研修担当に確認してほしいのですが、一般的な実情をお伝えしておきます。

まず、多くの場合、再試験を受けるチャンスはちゃんと用意されています。一度落ちたからといって、保険の仕事を続けられなくなるわけではありません。研修期間のなかで、再チャレンジできるよう組まれていることがほとんどなんです。だから、必要以上に落ち込まなくて大丈夫ですよ。

ただし、次に向けてのスケジュール感は、自分でしっかり把握しておきましょう。いつ再試験があるのか、それまでにどれくらいの時間を勉強に充てられるのか。逆算して計画を立てておくと、気持ちにも余裕が生まれます。

ある研修担当の人が話していたのは、再試験で受かる人には共通点があるということ。それは、落ちた直後に投げ出さず、原因をきちんと振り返って勉強法を変えてくる人だそうです。同じやり方でもう一度受けても、結果は同じになりやすい。でも、つまずいた場所と向き合って、やり方を変えた人は、しっかり結果を出していくんですね。

まわりに、同じように落ちて再試験で受かった先輩がいたら、どんな勉強をしたか聞いてみるのもおすすめです。実際に乗り越えた人の話は、テキストには載っていないヒントの宝庫。一人で抱え込まず、頼れるものは頼っていきましょう。

カレンダーで再試験までの予定を立てる女性

つまずきは、もっと先へ進むための入り口

生命保険一般課程試験に落ちたことは、けっして無駄な経験じゃありません。どこでつまずくのか、自分はどんなふうに勉強すると身につくのか。それを早い段階で知れたのは、これからの仕事人生にとって、むしろ大きな財産になります。

原因を整理して、やり方を少し変えて、自分のペースで続けていく。それができれば、次はきっと違う結果が待っています。焦らなくて大丈夫。あなたは、もう立て直しのスタートラインに立っているんですから。

そして、この基礎資格を乗り越えたあとには、お金の知識をもっと深めていく道も広がっています。たとえばファイナンシャル・プランナー、いわゆるFPの勉強は、保険の知識とすごく相性がいいんです。保険で身につけた土台が、そのままお金まわり全般の理解につながっていきます。仕事の幅を広げたい、お客様により深いアドバイスをしたいと思ったら、次のステップとして検討してみる価値は十分にありますよ。

無理に急ぐ必要はありません。まずは目の前の試験を一つずつ乗り越えて、それから「もっと学びたいな」と思えたときに、お金の学びへ一歩を踏み出してみてくださいね。あなたのペースで、着実に。それがいちばんの近道です。