引き出しの奥に眠っていた。半年間。アメジストのブレスレット、ずっとそこにいた。ある朝、何気なく引き出しを開けて、そのまま手首にはめた。「なんとなくつけてみようかな」。それだけです。特別な理由も、大げさな決意も、何もない。

そこから30日間、毎日つけ続けました。そして気がついたら、私のなかで何かが変わっていた。劇的じゃない、じわじわとした、でも確かにある変化が。

そもそも、なぜアメジストだったのか

アメジストって、パワーストーンを初めて買う人が選ぶ「入門の石」として有名ですよね。紫色が美しくて、どんなコーディネートにも馴染みやすくて、価格帯もパワーストーンのなかでは手に取りやすいものが多い。「石ってちょっと気になるけど、何から始めればいいかわからない」というとき、アメジストは本当に選びやすい選択肢だと思います。

私がアメジストブレスレットを買ったのも、まさにそういう「なんとなく」でした。スピリチュアルにどっぷりハマっていたわけじゃなくて、雑貨屋さんでたまたま見かけて、「あ、紫キレイだな」と思って手に取ったんです。そしたら隣にあったPOPに「直感力を高め、精神を安定させる石」と書いてあって、「今の私にそれ必要じゃん」と思って、買った。それだけ。

買った日は気分よくつけて帰ったんですけど、1週間後には引き出しの奥で眠っていました。パワーストーンあるある、ですよね。「いつかちゃんとつけよう」と思いながら、なんとなく「今日じゃなくていいか」になっていくやつ。罪悪感だけが静かに蓄積されていく、あの感じ。そのまま半年が経過していたというわけです。

アメジストには「心の浄化」「精神の安定」「睡眠の改善」などいろんな言われ方がありますが、当時の私はそういう情報もほとんど知らないまま買っていました。見た目が好きだった、それだけで選んだ石が、30日後に私の生活に小さな変化をもたらすことになるとは、このときまだ思っていませんでした。

30日間つけ続けようと決めたのは、ほぼ勢い

アメジストブレスレットを30日つけ続けた記録。変化は、じわじわと、でも確かにあった。

30日チャレンジ、みたいな大げさなことを決意したわけじゃないです。最初は「今日つけよ」くらいの気持ちでした。でも、夜にスマホのメモを開いて、「せっかくだから記録してみようかな」と思って。それが結果として30日続いた、という感じです。

その頃の私、なんかちょっと調子が悪かったんですよね。仕事でも恋愛でもなく、特定の原因があるわけでもなく、なんとなくざわざわしている感じ。気持ちが落ち着かなくて、夜に眠れない日が続いていた。朝起きても「はあ、今日も一日か」ってなってしまっていた。あの感覚、わかる人にはわかるんじゃないでしょうか。

そういうときに、引き出しのアメジストブレスレットが目に入った。「石に頼るのか」みたいな気持ちは正直ありましたよ。でも「何か丁寧なことをしてみよう」という気持ちはあった。毎朝ひとつの動作を増やして、夜に一言だけメモする。それだけを30日続けることにしました。記録することにしたのが、あとあと大事になってきます。

1〜10日目|何も起きない。でも、それがよかった。

正直に言いますね。最初の5日間、何も変わりませんでした。アメジストブレスレットは手首に馴染んでいて、重すぎず軽すぎず、つけていることを忘れそうになるくらい自然な感覚。特別なことは何もなかったです。

でも、それがちょっと心地よかったんですよね。毎朝、着替えてブレスレットをはめて、一言メモを書く。その小さなルーティンが生まれたことで、「今日も一日始まるな」という感覚がぼんやりとできてきた気がして。気持ちが整うとかじゃなくて、もっと手前の話。「今日も自分のことを大事にする動作をした」という、ただそれだけの積み重ねです。

6日目か7日目のメモに、こう書いてありました。「今日、ちょっといらっとしたけど、すぐ忘れられた。」私の場合、どうでもいいことをいつまでも引きずってしまうのが癖で。夜になってから「あのとき、ああ言えばよかった」ってぐるぐる考えてしまうことが多かったんです。そのループが少し短くなった、かもしれない。メモにそう書いてある。そのときの私がそう感じたということは、確かなことだと思っています。

10日目が終わった時点では、「何か変わったかな?」という感覚が5割、「気のせいかもな」という感覚が5割。それくらいのグレーゾーンにいました。でも、それでよかったんだと今は思います。最初から変化を求めすぎると、「ない」ことへの落胆が大きくなる。石と付き合うときって、もう少し緩い気持ちでいるほうがちょうどいいんじゃないかな、と。

11〜20日目|睡眠の質が、静かに変わっていった

アメジストブレスレットを30日つけ続けた記録。変化は、じわじわと、でも確かにあった。

アメジストには「安眠の石」という別名があって、枕元に置くと眠りが深くなるとか、精神が落ち着くとか言われていますよね。私は最初、それを「まあ、石だし、プラセボでしょ」と半信半疑で聞いていました。でも11日目あたりから、朝の目覚めが少し違う感じがして。

私の場合、睡眠のムラがずっと悩みでした。「よく眠れた日」と「全然眠れなかった日」の差がひどくて、2時間おきに目が覚めることもしょっちゅうだった。それが、2週間を過ぎたころから少しずつ変わってきたんです。「ぐっすり」とまでは言えないけれど、「眠れなかった」という記録がメモから消えていったんですよね。

これ、アメジストブレスレットの効果なのか、それとも季節が変わってきたせいなのか、生活リズムが微妙に整ってきていたのか。断言はできないです。でも、「変化の時期」と「アメジストをつけ始めた時期」が重なっているのは確かで、それを偶然とも言い切れない気がしています。そういう「グレーゾーン」に立ちながら付き合うのが、パワーストーンとの正直な関係なんじゃないかと私は思っています。

あと、この時期から「気持ちが少し整ってきた」という感覚も出てきました。ざわざわがおさまってきた感じ。100点のご機嫌ではないけれど、「自分の足でちゃんと立ってる」感が戻ってきたというか。うまく言えないんだけど、確かにそういう変化があったんです。16日目のメモには「今日は夜にぐるぐるしなかった」と書いてあって、あのときの自分がちゃんと気づいていたんだなと思います。

21〜30日目|「あって当たり前」になったとき、気づいたこと

3週目に入ると、アメジストブレスレットをつけることが完全に習慣になっていました。朝、洗顔して、化粧水をつけて、服を選んで、ブレスレットをはめる。その一連の流れが身体に染み込んでいた感じ。ある朝、つけ忘れて出かけてしまって、電車のなかで「なんか足りない感じがする」と気づいて、結局引き返しました。それくらい当たり前になっていたんです。

ここで、ちょっと立ち止まって考えたんです。「アメジストが私に何かをしてくれているのか、それとも、アメジストをつけている私が何かをし始めているのか」って。

「石が何かをしてくれる」という大前提で始めると、きっと「変化がない」「効果がなかった」という結論になりやすい。でも実際に30日間記録してみてわかったのは、「石をつけている私が、少しずつ動き出していた」ということでした。毎朝ひとつの丁寧な行動をすることで、「今日も自分のことを大事にしよう」というスイッチが入る。それが30日間続いたとき、そのスイッチを押すこと自体が「当たり前」になっていく。気持ちの安定も、睡眠の変化も、全部その積み重ねのなかにあったんじゃないかと私は思っています。

27日目のメモには「久しぶりに外出が楽しかった」と書いてありました。うちのなかにこもりがちだったこの時期に、「外に出るのが楽しかった」と書いてある。それだけのことなんだけど、私にとってはすごく大事な変化でした。石をつけ始めた月と、重なっている話です。

30日間つけ続けてみて、私が出した答え

アメジストブレスレットを30日つけ続けた記録。変化は、じわじわと、でも確かにあった。

「アメジストブレスレットをつけたら人生が変わった!」は言いません。正直、そういう劇的な話じゃなかったんです。私の場合は。

でも、30日間の記録を読み返して、確かに変わっていたことがありました。眠れなかった日がなくなった。感情のループが短くなった。外に出るのが楽しいと思えた。こういう変化は、記録していなかったら気づかなかったと思います。「何も変わらなかった」で終わっていたはず。じわじわとした変化というのは、そういう性質のものなんですよね。大きな波じゃなくて、毎日少しずつ動いている潮の流れみたいなもの。

パワーストーンを「信じるか信じないか」という問いに私はあまり興味がなくて、それよりも「つけて生活してみてどうだったか」という事実のほうが大事だと思っています。30日間、毎朝アメジストブレスレットをはめ続けた私は、確かに何かが変わっていた。それが全部アメジストのおかげかどうかはわからなくていい。でも、一緒に変わっていたのは確かです。

引き出しにアメジストブレスレットが眠っているあなた。ためしに30日、毎朝つけてみてほしいです。記録も一緒にするとなおいい。劇的な変化じゃなくていい。じわじわと、でも確かにある変化を、自分のメモのなかに見つけていきましょう。